初体験

一昨日人生で初めてのビラ配りという過酷な体験をした。あれはまじでメンタルがやられるんです。数々の人に無視をされ続けて受け取ってもらえない。これは異常。でも大体は想定内だった。しかも貰ってもらえるとまじで嬉しい笑 最後にはなんとなく手応えを感じて帰宅するという、なんとも言えない1日だった。

まず最初になぜビラ配りをしようと思ったのかというと、異常に寒い中ただ配り続ける配布員の気持ちを一度知ってみたかったということが建前の理由である。しかし本当の理由はもっと不純極まりなく仲良い友達にしか言ってないが、色々な人に話しかけることでわんちゃん何かあるんじゃないかという淡い期待をしていたからである。ナンパの時に声をかけることへの抵抗感をなくすためと言ってもいいのかもしれない。このような不純な気持ちをきっかけにティッシュ配りの会社に電話をして応募をかけた。説明会では自分の容姿を誉めてくれたのでこれは手応えがあるのかもしれないという期待を自分に抱いていた。しかし、自分に期待をすると大体いいことは待っていない。純粋に努力を続けている時にこそ成果は出る物なのである。

配布前日の夜は友達と合コンに行き、少しお酒を飲んだ状態で快眠し、さあ現場に出向くと、まず待っていたのはティッシュではなくコンタクトレンズの会社のビラだった。しかもあまりお得とは言えない、10%オフのクーポン券の配布だった。ティッシュなどならまだ消費者に需要があり受け取ってもらえる可能性も上がるが、ビラでは本当に必要とする可能性のある人しか受け取ってくれない。どんなに自分が愛想よく笑顔を振り撒きながら配っていても全く見向きもしてもらえないことが99%だ。まだ2時間グラの勤務なら耐えられるがそれが6時間続く。2.5時間の配布を経て、自分は目標枚数に届かない形となった。自分の容姿を過信しているわけではないが、明らかにその時自分の同じ現場に派遣されたバイトリーダーのHさんよりは印象はいいはずである。それなのに枚数で負けている。完全にやる気を失い休憩後の後半の勤務では1時間に4枚のペースでしか配れなかった。そもそも白いベンチコートに身を包むのはまずかなりの恥ずかしさがあった。プライドを何個も捨てないとできない仕事ではないかと失礼なことも思った。 そして運悪く、その時にちょうどお店の方に声をかけられて、僕が現状を伝えると「寒いのにお疲れ様、やっぱり今日は客足が少ないから仕方ないよね。でもちょっと遠くから見てたんだけどね、その配り方じゃ全然ダメだよ。もっと手数を増やさないと!」叱咤を受けた。意味がわからない。いや、意味はわかるがプライドが邪魔をして素直に受け入れられない。でも確かに成果が出ていないのだからそれは自分を雇ってる配布会社もその顧客のコンタクト会社も怒るだろう。

しかし一度社員が様子を見に自分のところに来た時に、手数の多く配る見本を見せてくれた。一人一人にアイコンタクトをして受け取ってもらえるように配るのではなく、より多くの人の目に入るように浅く広くであった。その方が結局は宣伝効果もあるし受け取ってもらえる数も増えるのだ。頑張ってるねと言いながら取ってくれるおっさんもいた。きっと頑張ってるように見えたのだろう。多くの人に取る機会を作る、薄利多売とは違い、一回受け取ってもらえることの利益は、どうせ店まで足を運ばないのだから同じである。そのことを意識して配り続けたら自然と枚数が伸びた。

皮肉にも、お店の人や先輩方がおっしゃっていた通りだった。そこでまたプライドを無くした。先に経験した人はやはり色々なことを知っている。その人たちが教えてくれることは大体は正しいのである。しかしそれを今回は反証することで覆そうとしたが、結局は経験の勝ちである。しかし自分でこれからも元ある概念や教えを打ち破るために常に仮説を立てて実証していきたい。疑うことを忘れたくはないものだ。

経験できて非常に良かった。今回の経験で感じたことは、これからはティッシュ配りやビラ配りをしている若い人がいたら絶対に貰ってあげようということ、それに限る。